風のささやき

南国の空に

もう少しだけ指先を伸ばして
あなたの指先に触れよう
温もりに触れていよう

あなたの指し示した指の先には
南国の明るい空の色がある
明日へと続いて行く
明るい希望の足取りが
はっきりとした足跡になって見えている

暖かな風は微かな花の香りをまとい
シャボン玉が勢いよく舞い上がる
意地悪な風が吹いてこないから
一列になって割れることなく
行儀よく空に昇っていく

南国の市場は
人いきれで活気にあふれて
雑多と並んだコーヒーやドライフルーツ
ドラゴンフルーツ、ランブータン、パパイヤ、ドリアン
ヒスイの装飾品やお土産のシャツも
仏像の置物も農村風景の油絵も
すべてが混然と並んでいる

古びた蛍光灯に照らされた
小さな沢山の店舗には
大人に子供も混ざって
今日の暮らしの糧を得るための声を上げる
商品が売れてほっとする幸せ
胸に広がる感謝
毎日の暮らしの中にも
不思議と願いが膨らんでいくことに
何の後ろめたさも無くて

夏の風に吹かれて心が軽くなる
このまま体も空を歩いてけるような
錯覚も覚えているから

さあもう少しだけ指先を伸ばして
あなたの指先に触れよう
温もりに触れていよう
勇気を出してもう少しだけ
合わせる瞳からも温もりを感じて
すべてはそこから始めればいいから

← 詩の一覧に戻る