秋の空に
色づいた黄金の葉を従えて ポプラが真っすぐに指さす空に あなたがため息をついて 「印象的」とつぶやく 何人もの絵描きが その色を繰り返し写し取ろうと 描きつくせなかった深い青 僕もとなりで 見とれていたと告げる 二人の瞳に映る空が 同じなのかは分からない ただ同じように 空を見上げていたことが 胸に心地よくかさかさと鳴って 言葉少なく歩いた 秋風は爽やかに街を浚っている 街路樹も人も秋に染まり みんな素直な風の申し子 あなたのため息を いくつも縫い付けたような しんみりとした陽射しに 金木犀の香りがまざる 青になる交差点には たくさんの人が 肩をぶつけないようにすれ違う その人波に流されながら 同じ空を見上げ 嬉しさを分かち合える人の 指先をつかまえる
深い青をたたえた空に同じように見とれた嬉しさに。Last Updated 2026/10