また明日
夕暮れに歩き去ってゆく あなたに大きく手を振った 「また明日」と 心の中で呟きながら 何度も振り返る その姿が見えなくなるまで 秋の風は涼しいほどに どこか心が寂しくなった さっきまでが楽しすぎたから 急に一人で歩いていることが 不思議なくらいに 俯いて家までの道を帰る 今日の何気ない会話を 取りこぼさないように 飽きずに繰り返し思い出す また明日が会える日となれ月見草 川は赤い夕陽を流れにのせて いつかこの家路の先が あなたといる場所となれ鳳仙花 夜が寂しくならないように 白粉花を庭に植えれば やがて子供たちが 落下傘を作って遊ぶ 賑やかな声が絶えない軒先には 大ぶりな紫の朝顔が 高いところで見守ればいい 僕は鬼灯の赤い実を 手のひらの上にいつまでも転がし それを可笑しそうに見守るあなたを 秋桜の花影に見つけだした 桔梗の可憐よりも 金木犀の香の甘さよりも あなたの笑顔を残して また明日が会える日となれ川原撫子
明日も、大切な人と会いたくて。Last Updated 2026/10